チラシとイベントフライヤーを自作しようとする場合、まったく知識のない状態で作成することは避けるべきです。たとえネット上のテンプレートを使うとしても、単純に画像や文章を入れ替えるだけで完結することはまずありません。チラシとフライヤーはコツを知っておかないと、カスタマイズしたときにイメージとかけ離れたデザインに仕上がってしまいます。

チラシ・フライヤーの定義
フライヤーチラシ違いとはなんだろうか。チラシと区別する際の違いとしては、フライヤーは一般的にはチラシのサイズよりも小さいものを指すことが多く(具体的には、チラシがA4を中心に大きめのサイズ、フライヤーはA6など卓上小さめのサイズで作成されることが多いようです)、また厚手の紙が選ばれることが多いです。
デザインを考える時のポイント
目を引くチラシの作り方
広告内容を考える際によくある失敗が、アレも載せたい、コレも伝えたい、ソレも入れておきたいといったように、伝えたいことが溢れて収拾がつかなくなるケース。そうなるのはある意味、自然なことですし、当たり前のことだと思います。伝えたいことがたくさんあるから広告をするのですから。
むしろ、伝えたいことが溢れてこないなら、広告を出すべきではないのかもしれません。溢れ出ても良いのです。重要なのは、溢れ出てしまったことの整理です。
チラシを使った工夫で1番簡単なのは、伝えたいことを(箇条書きで良いので)思いつく限り紙に書きだす方法。頭の中だけではまとまらないことも、紙に書いて「見える化」することで、整理しやすくなります。
紙に書きだしたら「伝えたいことリスト」の完成です。そのリストを見ながら、今度は優先順位をつけていきます。リストの中で特に伝えたいことは何なのか、今伝えたいことは何なのか、それを考えます。この時、考え方のベースになるのは、販促の目的です。今回の広告は何のために実施するのか。「誰に、何を伝えて、どう行動してほしい」広告なのか。販促の目的をきちんと設定し、それをベースに優先順位を決めていきましょう。
例えば、販促の目的が「OPEN告知」なら、「近隣住民の皆様に、お店がOPENしたということを伝えて、1回試しに行ってみるかと思っていただき、来店してほしい」広告にしなければならない、という方向性が決まります。伝えたいことリストをよく見て、まだ1回も来店していない近隣住民にまず最初に伝えるべきは何か、というように優先順位をつけていきます。あとは枠スペースに応じて、内容を選べば良いのです。
そういった意味で広告は、アレも伝えたいコレも載せたいと“足していく”のではなく、数ある伝えたいことから、販促の目的に応じて優先順位を決めて、“引いていく”ものなのです。
写真やイラストの選び方
チラシで使いたい写真やイラストを用意します。自分でオリジナルの写真やイラストを用いる方法のほかに、最近では商業利用が可能な無料の素材を提供しているサイトもあるので利用を検討してみてもいいかもしれません。
レイアウトの重要性
チラシに掲載したい情報が全て揃ったら、ラフレイアウトを作成していきます。ラフレイアウトで写真や文章、タイトルの大まかな配置を決定していきます。ラフは実際に作成しようと考えているチラシのサイズで作成すると、デザイン制作の作業に移った際に、レイアウトや素材の変更があまり起こることなくスムーズに作業を進めることができます。
色彩と空間の利用
「配色」は、チラシの統一感や、ブランドイメージを左右する重要な要素です。「ベースカラー」「メインカラー」「アクセントカラー」の3色を決めておくと、統一感のある美しいチラシデザインになります。多くの色を使いすぎると、チラシ全体の統一感が失われてしまいますので注意が必要です。しかし、子供向けの英会話教室などのチラシには、あえてカラフルな配色にしてポップで楽しい印象を出すこともあります。必要に応じて配色を決めることが大切です。
おしゃれなチラシデザインは、余白を上手く利用しています。デザイン初心者は、空間が生まれるとその部分を埋めてしまいたくなります。しかし余白には、ある部分に目が行くように視線を誘導したり、洗練した印象を持たせたりする効果があります。余白を適度に作り出すことで、ごちゃごちゃせず読み手にとってストレスを感じないチラシデザインに仕上がります。
テキストと画像の配置
前述のブロック化とも関連します。四角くまとめて配置をしたときに、そのブロック内でテキストや画像の開始位置が揃っていないと、それだけで見栄えが悪く違和感が残ります。ブロック内だけではなくチラシ全体でみても、できるだけ各要素の始点・終点の位置を揃えることが、見栄えのよいチラシを制作するための大きなポイントです。
すべてガチガチに揃える必要はありません。チラシ全体で考えると、外側の余白をトリミングしたときに「全体がおおよそビシッと四角くまとまっているよね」となるように、揃えられる要素はなるべく整列させておくようにしてください。
チラシの企画を考える。チラシはこの作り方
まずは、何のためにチラシを作成するのか、ターゲットは誰かなどチラシ作成の目的と方向性を明確にしましょう。
「企画」の手順を曖昧なまま進めてしまうと、どんな層の人に何を伝えたいのかが分かりにくいチラシになってしまう可能性があります。
チラシ作成の目的と方向性を明確にするには「5W1H」を使って考えていくのが効果的です。
【 5W1Hとは? 】
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)

具体的な手順・流れ
企画・目的設定
どのようなチラシにするのか、訴求したいターゲットや作成する目的と内容を明確にします。チラシの最終的な仕上がりにも直結してくる重要な作業です。
コンテンツの選定
企画した内容を元に、チラシに載せたい写真や文章、地図などの素材を用意します。この段階で大まかなラフを用意すれば制作の手順がスムーズに進みます。
デザイン作成
企画の内容が具体的になり、ターゲットを絞り込む事ができたら、デザイン制作の準備に移っていきます。目的や内容が明確になったからと言って、いきなりデザインの制作に移ってはいけません。掲載する素材や文章など、情報をまとめずに制作に取り掛かると、必要な要素が抜けてしまったり、途中で何度もレイアウト変更をしなければならない事態が起こります。まずは必要な情報をまとめて、大まかなラフのレイアウトを作成しましょう。

【 チラシの作成によく使用されるソフト 】
チラシの作成では、Adobe IllustratorやAdobe InDesignといったデザインソフトがよく使われています。デザインを作るための専門ソフトのため、よりクオリティの高いチラシを作ることが可能です。しかし、このような専門的なソフトは費用が高額な事も特徴の一つです。また、操作難度も高いため、初心者の方は使いこなすのに時間がかかってしまう可能性があるので注意しましょう。専門的なソフトを持っていない方でも、WordやExcel、PowerPointといったMicrosoft Officeのソフトを使ってデザインの制作をする事も可能です。是非、自分が使いやすいソフトで作成してみてください。
成功するチラシ・フライヤー作成方法のポイント
コピーライティングの考え方
タイトルやキャッチコピーは短い言葉で商品やサービスを伝える、大切な要素です。わかりやすく、それでいて目を引く言葉を選びましょう。商品の説明文でもあまり難しい言葉は用いず、分かりやすく伝えることを意識しましょう。
画像の使い方
フライヤーを作る際、チラシで使いたい写真やイラストを用意します。自分でオリジナルの写真やイラストを用いる方法のほかに、最近では商業利用が可能な無料の素材を提供しているサイトもあるので利用を検討してみてもいいかもしれません。
チラシ・フライヤー作りのよくある失敗例
チラシの効果がなかったら、どのように改善を加えていますか?もし仮に、色を変更する。特典を変更する。などを直感的に行うとすれば、アタリ・ハズレの激しい販促活動が繰り返されます。チラシにも「正しいつくり方」があり、それらをスルーしては、せっかくの企画も効果が発揮されないことがあるのです。まずは、実施したチラシが基本に則っているかを確認するところから始めましょう。ここでは、制作する上で陥りやすい失敗例を交えてポイントを整理していきます。
デザインでやってはいけないこと
チラシの効果を大きく左右するのがデザインです。デザインの良し悪しを決める要素は3つあり、1つ目がレイアウト、2つ目が配色、3つ目がフォントです。効果的なデザインを作る上で、それぞれやってはいけないことをご紹介していきます。
レイアウト
レイアウトとは、各パーツをどのように配置するか決めることです。レイアウト決めで特にやりがちなのが、「余白がない」ことと「メリハリがない」ことです。文章や写真を詰込みすぎて、ギュウギュウなレイアウトになっていませんか?また、写真や文字の大きさが単調で、商品カタログのようなレイアウトになっていませんか?伝えたい内容に優先順位をつけ、読み手に優しい、ゆとりとメリハリのあるレイアウトを心がけましょう。
配色
配色でやりがちなことは、様々な色を使い過ぎて派手になることです。同じ内容でも色を変えると印象は大きく変わり、効果にも大きく影響します。例えば、赤・オレンジなどの暖色には食欲を増進させる効果がありますが、青などの寒色には食欲減退の効果があり、選ぶ色によって真逆の効果を生み出してしまいます。伝えたい内容に適した配色をすることで、読み手に与える印象を意識しましょう。
フォント
フォントでよくある失敗例は、読み手に与えたい印象と、フォントの選定がズレていることです。「アットホーム感」を伝えたいチラシに、上品な印象を与える「明朝体」ばかり使っていませんか?明朝体はビジネス書類で使われるほど敷居の高い印象を与え、アットホームとは真逆のイメージを与えてしまいます。与えたい印象に合ったフォント選択をしましょう。


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